渡る世間は鬼ばかり 第45話

 「渡る世間は鬼ばかり」は、どうしようもないドラマだと本当に思う。よくこうも事件ばかり起こるな…と呆れつつ、ついつい見てしまう。ああ、恐ろしや。この45話は、非常に意欲的だったのではないだろうか。演出は、荒井光明だが、良くも悪くも冴えないこのドラマの演出に、新しい風を蒸かせようとしているのではないだろうか。冒頭の、加津の無駄な着替えシーンから笑える。あからさまなサービスカット(実際、サービスになっていたかはあやしいが)だったし。タキさんがホストクラブに行く(!)ときの嬉々とした表情も笑えた。壮太と父の和解もよく描けていたのではないか。目まぐるしく展開していったけれど、最後まで盛りだくさんで面白かった。


 この人の演出は、細かい所に気が回っていていいと思う。大吉を撮る時も、構図を決めて反復させることで意味を表出させようとしていたし、長子と壮太を厨房で撮る時も、中心に視線の操作のために小道具を置いたりしてたし。ウルトラマンシリーズともかもそうだったけれど、筋立てが決まっているからこそ、自由にやれることというのも必ずあると思う。こういった、保守的・反復的な内容のドラマを解体する人とかいないのかな。面白いと思うのだけれど。やったらクビかもしれないけど。