2007-01-01から1年間の記事一覧

松井冬子という日本画家

先日、藝大の博士展(松井冬子は今年修了)があったので、見に行ってきた。実は、彼女の絵を、直で見るのは初めてだったので、そこそこ楽しみにしていた。なぜ、「そこそこ」だったのかと言えば、昨今のネオ・ジャポニズムならなんでも良いといった風潮にう…

渡る世間は鬼ばかり 第45話

TV

「渡る世間は鬼ばかり」は、どうしようもないドラマだと本当に思う。よくこうも事件ばかり起こるな…と呆れつつ、ついつい見てしまう。ああ、恐ろしや。この45話は、非常に意欲的だったのではないだろうか。演出は、荒井光明だが、良くも悪くも冴えないこのド…

オルセー美術館展(東京都美術館)

うーむ、うーむ。期待して見に行ったのだけれど、なんだか感じ入らなかったなあ。すごいゴッホとホイッスラー楽しみにしてたのだけれど。ホイッスラーは「灰色と黒のアレンジメント(母の肖像)」が思ったほどの作品ではなく、がっかり。あまりに幻想を抱き…

ギメ東洋美術館展(太田記念美術館)

浮世絵で有名な太田記念美術館で、北斎の「龍虎図」が展示されている。「龍」と「虎」が対幅だということは、近年はじめてわかったらしい。それを記念しての展示だそうだ。作品は、北斎特有の、重力を強く感じさせるもので、充実していた。ただ、良くも悪く…

テンポについての覚書

最近、フルトヴェングラーをよく聴く。その特徴である、テンポの動かし方について考えることが多いからだ。そのきっかけを与えてくれたのが、戦時中に録音されたブラームスの4番[Delta/Melodiya]と晩年のブラームス3番[DG]だった。共に終楽章の盛り上げ方が…

 DELTA復刻のウラニアのエロイカ

ウラニアのエロイカは話題に事欠かない。フルヴェンが怒ってウラニア社を訴えた、ピッチが高い、CD復刻は山ほどあってどれを聴くべきか…とか。私も、ダイレクトに演奏が伝わってくる復刻に出会えず、新しい復刻が出るたびにいろいろ聴いてきたクチだ。評判に…

宮下誠「20世紀絵画」を読む

なんだとは言っても、「20世紀音楽」は力の入った本だったので、「20世紀絵画」も買ってみた。こちらは、流石に専門分野だけあって、文章が自信に裏付けされている。きっと音楽の方で足りなかったのは、この自信だろう。これは入門書を踏み越えた面白さがあ…

宮下誠「20世紀音楽」を読む

20世紀音楽(現代音楽とは言わない)をわかりやすいものとして紹介。基本的に作品の解説に尽力していて、著者の趣向やオピニオンを明確には打ち出していない。あえて言えば教科書的。この作者はもともとクレーの研究者で、美学が専門。美学から音楽批評とい…

ラトル4枚目のシマノフスキ(歌曲集)

バーミンガム市響とのスタジオ録音[EMI]。これはいいよ。特に「ハルナシェ」はラトルのベストレコーディングに数えてもいい。第2場のツェピーネからが圧巻。バーミンガム市響合唱団が抜群に上手い。ソリストのロビンソンも表情の付け方が巧みで、強奏指示で…

チェリビダッケのブル5

このCD[Altus]が売れに売れている。1986年のサントリーホール開館記念で来日した際の演奏。チェリビダッケの、海賊版を含めたディスコグラフィの中でも、特筆すべき一枚だと思う。ここまで高音質なチェリビダッケの録音自体が少ない。大手レーベルのライブ録…

ネットにおける一人称の問題

インターネットで書き込みをしているときにぶち当たる問題がこれなんだよな。「俺」より「おれ」と書いた方がネット慣れしてるみたいに見えるとか、「私」を使うと堅苦しくて日記ぽくならないとか。意図しないで一人称を選択できるといいんだろうけど、それ…

最近よく聴くCD

山田耕筰の長唄交響曲「鶴亀」[Naxos]を手に入れてから、何度も聴いている。おれみたいな長唄(というよりも邦楽)初心者には親しみやすくて丁度良い。それはオーケストレーションの巧みさによるところが大きいのだろう。曲の展開に合わせて、理解を助けるよ…

ベルリンフィルのジルベスター・コンサート

BSでジルベスターをやってたから見た。普通によい。放送に際してマルチマイクで録って、かなり音をいじっていたと思う。うさんくさいくらいにクリアな音質だった。2005年にBPOが来日した時とは印象が変わっている。オーケストラの響きはかなり筋肉質になって…

年が明けた

歯が痛い。猛烈に痛い。右側の歯が痛いんだけど、右半身の機能が全部低下している気がする。もちろん、医者なんかやってるわけもなく,悶えながら新年を迎える。